研究者の仕事を2つに大別すると,研究することと,
研究者を育てることである.以下,後者の立場にな
るため,具体的には博士学位論文の指導教員(英語
ではSupervisor)になるために必要な資格について
述べたい.
Dマル合(でぃまるごう)
業界用語でいうところの,博士学位論文の研究指導
ができる教員を意味する.
学位の取得方法の違いで,課程博士と論文博士とに
区別されるが,それについての説明は機会をあらた
めたい.
さて,文科省が定めた大学院教員の6種類の資格は
次のとおりである.
ここで,
D: 博士(Doctoral)の略,博士後期課程の意.
M: 修士(Master)の略,博士前期課程の意.
6種類の資格
Dマル合: 博士論文の指導ができる.
D合: 博士論文指導の補助ができる.
D可: 授業を担当することができる.
Mマル合: 修士論文の指導ができる.
M合: 修士論文指導の補助ができる.
M可: 授業を担当することができる.
「マル合(まるごう)」という呼び方は,文科省の正
式文書において研究指導のできる教員を「合」の字
を○で囲って表すことに由来する.
この度,小生はDマル合教員となった.文科省に認
定された後も定期的に再審査を受ける.したがって,
今後も規定の数と質以上の論文を継続的に書き続け
なければならない.それができなければ,指導資格
を失ってしまう.それを失ったとしても仕事をクビ
にはならない.しかし,自分自身に対して研究者で
ある誇りを失ってしまうかもしれないし,これまで
育てていただいた方々に申し訳が立たない.