小生が学部4年生の頃から入会している学会に参加し
てきた.入会後,四半世紀が経過した.
先輩方が引退されるのは自然の成り行きである.し
かし,その人数に比べて入会者が明らかに少ない.
さらにいうと,若者が少ないのである.
おそらくこの現象は,この学会だけでなく,国内学
会ならどこでも見られるだろう.
篠原信著
研究の現場から日本人の姿が消える日はそう遠くない
より
「学生がいなければ研究は回らない」
確かにそうである.教員一人にできることは限られ
る.研究が回らなければ研究成果が出ない.研究成
果が出なければ,国際舞台での国内研究のプレゼン
スは低下する.
しかしだ.教員の研究の手伝いをするために大学院
を志す学生は多くはないだろう.
これはまるでどこか国が年金の財源を若者に頼り,
子どもをもっと産めよ,という話と同じである.
そんなことを主張しても,誰が賛同してくれますか.
院生がいない,予算がない,時間がない,とないも
のねだりで終わるのではなく,ないならないでやれ
ることはあるのではないか.