カラノウ (身体は脳みその乗り物): 採用時におけるGPAの意味

2016/02/18

採用時におけるGPAの意味

日本からGoogleへの応募者のGPAは,採用時の参考
にならない.

GPAとは大学での成績の1つの指標である.要は,質
(評価)と量(修得単位数)を掛け合わせたもの.

Google上級副社長(人事担当)が書いた本である.同
社における人事に対する考え方がある程度わかる.

ラズロ・ボック著
WORK RULES!

日本の高校生は大学入学のために,センター試験で好
成績をあげることに注力する.そのため,数年にわたって
塾通いすることが多い.しかし,いったん一流大学に入っ
てしまうと,彼らは成績をまったく気にしない.

歴史的に日本の大学生は,塾での鬱々とした時間と「サ
ラリーマン」生活の単調さとの狭間で遊びと自由という最
後のあがきにふける.

したがって,日本では大学の成績は採用データとしては
あてにならない.むしろ,どこの大学に通っていたのかを知
ることの方が少なくとも新卒者の採用については役に立つ.

つまり,日本で教育を受けた日本人が地道な努力を続け
られる人物かどうかを見極めるためには,出身大学を知る
方が手っ取り早いということだ.それは至極当たり前のこと
である.だからいまだに学歴社会が続いている.
ここでいう学歴とは,日本では持っている学位よりも,どこ
の大学を出たのかが問われる.

ただし,例外もある.自分がその例外であることを主張し
たければ,そのエヴィデンスを適切な方法によって雇用者
に示す必要がある.

GPAは就職にあまり影響しないとなると,勉強する動機付
けは難しくなる.

さて,今年度の卒業研究では,ある業界のいくつかの大企
業の社内報に載った新入社員の情報から,その新入社員
の属性を調べた.どこの大学を卒業し,学生時代に何をし
ていたのかということ.どんな人が採用されたのだろうか?

次の3つの傾向があった.
(1) 活動的である
クラブ活動(主に団体スポーツ競技)や留学,海外旅行を
し,自宅外の世界へ積極的に飛び出している.
(2) 人とのかかわりを大切にしている
彼らのFacabookではグループ写真がやたらと多い.人とか
かわりをもとうとしていることをアピールしている.
(3) 継続的な努力ができる
継続的な努力故の高偏差値大学を卒業.目標に向か
って長期的な努力ができることの1つの証明.