カラノウ (身体は脳みその乗り物): 客にコスト負担を強いる

2020/07/06

客にコスト負担を強いる

最近長靴を買った.
前のやつは某外来魚釣りで大活躍してくれた.他
の釣り人が入ってこれないポイントを攻めるのに
大変有効だった.おかげで美味しい思いをさせて
もらった.残念ながら,ゴムが硬化し割れて浸水
してきた.

今回はLサイズを買った.サイズがSMLの3サイズ
しかないのだ.履いてみたら,ブカブカの極みで
ある.自宅から最寄り駅まで20分ほど歩いただけ
で靴ズレができるレベル.

百均でインソールを購入した次第.330円の少し
いいやつを入れたが,それでも少々ブカブカだ.
さらにもう1セット110円のを購入し,二枚重ね
体制をとった.今度はいい感じ.
ということで,インソール代に440円を費やした.

長靴メーカーは,長靴を0.5cm刻みではなく,3
サイズのみを作ることによって生産コストを削減
している.一方,サイズとサイズの間の足サイズ
を持つ客は,インソールを購入しなければならな
い.つまり,メーカーの生産コストの削減は客の
コスト負担によって支えられているともいえる.
これはクルマにも同様のことがいえる.例えばラ
ジエータ.金属製かと思いきやプラスチックであ
る.それは常識だ.経年劣化で薄くなり,やがて
亀裂が入ったり,破裂する.したがって,小生は
そうなる前に10万キロ程度走ったらラジエータを
交換するようにしている.
軽量化の目的もあるだろうが,安くクルマを作る
ために,メーカーは客にもコスト負担を強いてい
ると考えることができる.強いているというより
も,シェアというべきか.

航空チケットの燃料サーチャージも同じ理屈であ
る.燃料代が急激に高騰した場合,航空会社と乗
客がその燃料代の上昇分を分担する仕組みである.

ここで余談.BMWのクルマ作りに対する考え方が
垣間見られる部分がある.それは,サスペンショ
ンの一部に安価で交換容易な部品を採用している
ところだ.ロアコントロールアームブッシュ(いわ
ゆるロアコンブッシュ)(下図6)である.この部品
の劣化は,2~3万km走行あたりからブレーキング
時にハンドルが轍にとられるなどの症状として現
れる.サスに発生する荷重をここが吸収するのだ.
当然,へたるスピードが他の部品よりも早い.し
かし,その部品は安価である.しかも,やろうと
思えばDIYで作業ができる.小生はホームセンター
で普通に売られている数百円分の商品を組み合わ
せて交換用の専用工具を作った.この部品を交換
したら,再び滑らかなハンドリングを手に入れる
ことができる.合理的な発想である.