研究の最前線にいるPhD学生の中でヨーロッパ出身の人
達は前回ここに書いたように頑張り過ぎない.でも成果を
出しているのは確かである.こちらのPhD学生は4年契約
で研究者見習いという立場で研究活動を行う.その間,
月給は2500ユーロ程もらっているそうである.
指導教授はたまに直接指導するが,普段はデイリーコー
チと呼ばれる准教授,講師や研究員が指導にあたる.
教授の人数は教員10名のうち1人くらいの割合である.
つまり,研究者のピラミッドが形成されているということだ.
ということは,ピラミッドの頂点になると研究成果の数がす
ごいことになるわけである.もちろん,厳しいプレッシャーは
あるだろうけれども.
日本人研究者の研究成果が少ないのは,このように研
究体制の違いも大いに関係あると思われる.日本のよ
うにPhD学生が授業料を払いながら研究で苦しい思い
をするのは正に修行である.さらにいうと,PhDをとっても
なかなか自分の希望する仕事が得られない.
日本でピラミッドを形成しようとすると,やはり留学生の受
け入れがポイントとなるだろう.ただし,奨学金の類のファ
ンド問題がつきまとう.