カラノウ (身体は脳みその乗り物): 親の仕事

2014/02/26

親の仕事

チャンスをつかむためには「実践的知能」が必要.

マルコム・グラッドウェル著
天才! 成功する人々の法則

この知能は,親と子の関わり合いの中で育まれるものです.
具体的には,物事の進め方のことです.

誰に何を言うかを理解し,どのタイミングで言うか,そし
て,どのように言えば最大の効果があるかも承知してい
ること

以前,ここに紹介した,
ダニエル・ピンク著
人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!
 

佐々木圭一著
伝え方が9割
 

では,上の実践的知能のレベルを上げようね,というポジシ
ョンをとっていることになります.

さて,話を戻します.社会学者アネット・ラローの実験結果か
ら次の結論が得られました.アメリカの中産階級と労働階級
の家族を対象としています.
中産階級の親は,我が子と話し合い,子ども達に理由を説
明する.ただ命令を下したりしない.子どもとは,言い返した
り,交渉したり,権威ある立場のおとなに質問したりするもの
だと思っている.
つまり,中産階級の親は,自分の子どもに自身の権利の主
張の仕方を教えているということです.そうすることで子ども
は,自分のやりたいことを実現するために,自分が何をした
らよいのか,その術を手に入れます.
逆に労働階級の親は,子どもの内面の成長を自然にまかせて
いました.

ではなぜ就活時に企業に提出するエントリーシートの質問
「あなたは在学中に何を実現しましたか?」が存在するので
しょう.

その質問は,学生が実践的知識を持っているかどうかを知
るきっかけになるからです.
自分のやりたいことを実現した学生は,往々にして少々厚か
ましいですし,口答えして生意気な奴が多いのも頷けます.
でも,彼らは実践的知能を持っているのです.そんな学生は
かわいいですし,応援したくなります.

また他日,ここに紹介した,
 

ロバート・C・ポーゼン著
ハーバード式「超」効率仕事術
 

で紹介されている,部下選びで成功するために重要なことの
1つに当てはまります.

面接時に候補者に生い立ちについて語ってもらう
私たちはみな,生い立ちに深く影響している

生い立ちと,実践的知能とは,どうも関係しているようです.

石油会社の社長,会長にまでなった人の話です.
大学生のとき,その会社の採用試験を受けようと決めた時点
で時すでに遅し,採用試験は終わっていました.
普通の人ならその時点であきらめます.でも,その人は受験
させてもらうために人事部まで直接出向き交渉を始めました.
担当者ともめているところに当時の取締役が通りかかり,「そ
こまで君がいうんだったら,試験してやろう」ということで受験
させてもらったそうです.そして見事,合格しました.

チャンスをつかむためには,運だけでなく,運を自分の方へ引
き寄せるための能力も必要だそうです.それは学校で習いません.