カラノウ (身体は脳みその乗り物): 抽象化のジレンマ

2021/01/27

抽象化のジレンマ

小生の研究は,現実問題を抽象化し,数理
モデルとして表現する.したがって,現実
問題にまつわる情報をどこまでそぎ落とし,
何を核として残すのかが問われる.

たった今,それと戦っている.

ここで欲張りすぎると,現実的な計算時間
内に答えが得られない.たとえ答えが得ら
れたとしても,扱う問題が複雑すぎて研究
のインパクトが薄れる.その結果,コスパ
のよくない論文になる.読むのに費やした
労力の割に得られるものが少ないからだ.

かといって,情報をそぎ落としすぎると,
単なる数字遊びになってしまう.

ジレンマがつきまとう.

我々東洋人は,複雑なものをそのまま複雑
なものとして捉える傾向にある.逆に,西
洋人は複雑なものの中の核となる部分に注
目し,そこに普遍的な規則性を見出そうと
する傾向にある.

どちらも一長一短がある.しかし,少なく
とも小生の研究分野では,後者のお作法に
則って研究を進めることが求められる.こ
れができないと商売にならない.