ハーバード学生にとって,ハーバード大学は,職業選択
の可能性を拡大するための装置である.
島岡要著
優雅な留学が最高の復讐である
より
いわゆるエリートにとっての行動指針とは,可能な限り選
択肢の幅を広くできるようなキャリアを形成することである.
彼らは,何者かになるのではなく,何者にでもなれる可
能性をできるだけ担保したいと考える.
通常,日本におけるキャリア教育では,できるだけ将来
の目標を早く決めて,その目標に向かって突き進んでい
くよう指導する.エリートはまさにその逆なのである.
生き方の問題なので,どちらがよいとは言い切れない.
さて,小生の所属学科では,専門職も養成している.
関連業界で求められる資格の筆記試験を2年かけてパ
スする学生が多い.一方,偏差値70くらいの大学の
経済学部出身者(その業界の専門教育は受けていな
い)の一例を挙げると,同業界企業への入社後4ヶ月
で,その筆記試験をパスする人もいるらしい.