ダニエル・カーネマンらは,
主観的な幸福度は,最も幸福度が高かった時点(ピー
ク)と最後(エンド)との平均値により決まる
ことを明らかにした.
人生の最初から最後までの幸福の総量で,幸福度は決
まらないらしい.
始終平穏で安定した生活よりも,浮き沈みが激しくとも
途中でドカンとよいことがあり,最後はほどほど幸福である
方が人が感じる幸福度は高いということである.
日本人の幸福度が他国民と比べて相対的に低いのは,
そんなところに原因の1つがあるのかも知れない.
つまり,人生において失敗を避け,リスクを取らないこと
によって大きな幸福(ピーク)を得ることが難しくなる.結
果的に,たとえ人生の最後にほどほど恵まれた生活がで
きたとしても,幸福度のピークが高くなければ,大きな
幸福感は得られにくいのではないか.